補聴器外来までの流れ
「補聴器外来」は完全予約制です。通常の外来受診後にご予約をお取りください。
- 通常の外来受診
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まずは一般外来を受診してください。聴力検査などを行いを行います。医師の診断によって補聴器の適応を判断し、補聴器外来を予約します。
- 補聴器外来を受診
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診察で耳の状態、聴力、難聴の診断を行い、補聴器を試聴して適応を判断します。 補聴器を着けた状態で検査を行い、補聴器の効果を確認します。
補聴器外来の役割
補聴器外来の役割は、補聴器と患者様の橋渡しをすることです。
数多くの補聴器メーカーがたくさんのモデルを製造しており、価格はピンからキリまであります。もちろん各メーカーの最上位モデルになれば様々な機能がありどれも優れたものばかりです。しかし、非常に高価なものになるので皆様が使えるわけではありません。
補聴器外来の役割の一つは、言語聴覚士の資格を所有する専門の知識を持った補聴器外来のスタッフが、補聴器のユーザーさんにとって一番のものを一緒になって探すことです。
当外来では、
もう一つの補聴器外来の役割は、専門スタッフによる調整を行えることです。
補聴器は買って終わりではありません。購入時も細かな調整が必要ですが、聴力の変化に応じて随時調整が必要となります。
今まで使っていた補聴器が合わなくなってきたなと思われた場合は、なぜ合わなくなったかを調べることが大切です。聴覚の変化によるものなのか、補聴器の不具合、または調整が必要な状態なのかによってその後の対応が全く変わるためです。
補聴器外来では、なぜ補聴器が合わなくなったのか、聞こえが悪くなったのかを判断した上で必要に応じて調整を行うことができます。
実際に当院の補聴器外来に来られた方で、調整を行った後の補聴器を付けた際に「全く聞こえ方が違う!」とおっしゃる方は少なくありません。
当院の補聴器外来でできること
当外来では補聴器の装用を希望される方に、耳鼻咽喉科医師による診察と聴力検査を行います。
耳鼻咽喉科医師による診察を行うのは、補聴器の装用が必要無い聴力の低下があるためです。実際に耳垢のつまりで聴覚が低下している場合も少なくありません。そのため当外来では、補聴器が必要な難聴か耳鼻咽喉科医師による診察を受診して頂きます。
また、専門知識を持ったスタッフによる補聴器の調整・検査を行えます。
当外来で行っている補聴器適合検査について
- 語音明瞭度
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聞こえには「音」と「言葉」の2種類があり、
本検査では会話に重要な「言葉」の聞き取り能力を測定します。
測定は、様々な大きさの音で「あ・き・し・た・・・」といった言葉を、聞きとっていただいた上で20文字中、何文字正解出来たかを0~100%で示します。100%以下
80%以上聴覚のみで会話を容易に理解可能 80%未満
60%以上家庭の日常会話は聴覚のみで理解可能。普通の会話はほとんど理解可能であるが、
不慣れな話題では正確な理解に注意や集中が必要60%未満
40%以上日常会話では内容を正確に理解できない事がしばしばある。
重要な内容は確認する事やメモの併用が必要40%未満
20%以上日常会話においても読話や筆談の併用が必要 20%未満
0%以上聴覚はコミュニケーションの補助手段として有用である。
聴覚のみの会話理解は不可能引用:帝国大学医学部耳鼻咽喉科 小寺 一興 教授 著 「補聴器フィッティングの考え方」より
- 音場検査
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スピーカーから言葉や測定音を出力し、補聴器を付けている時と付けていない時の変化を
検査します。これによって補聴器がどれだけ効果があるかを調べることができます。
- 補聴器特性検査
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フィッティングした補聴器が実際にどれくらいの音を出力しているか測定する検査です。
メーカーが出荷する際に行われている検査ですが、実際に使用している時にどれくらいの音を出力しているかを調べることで、より適切な調節を行うことができます。ただし、一般の診療を行いながら補聴器外来を行っていることと、補聴器外来の受診をご希望される患者様が多く、現在は残念ながら患者様をお待たせしてしまっている状況です。患者様をお待たせしないためにも、補聴器外来の診療日を週1 日から週2 日に変更しました。
これからも患者様のために精一杯努力しますので、今後とも何卒宜しくお願い致します。