国内の補聴器の普及状況
日本は高齢化社会を迎えています。
内閣府が発表したデータによりますと平成27年10月1日時点で、総人口1億2,711万人のうち65歳以上の高齢者人口は3,392万人を占め、総人口のうち26.7%が高齢者という状況を迎えています。
このように日本は世界に類を見ないスピードで高齢化社会が進んでおり、高齢者が増えるに伴って難聴を患ってらっしゃる方も増えてきています。現在国内の推定難聴患者数は1,900万人を超えると推定されています。
一方、一般社団法人日本補聴器工業会のアンケートによりますと、難聴だと感じていると自己申告された方の内、補聴器を所有されている方は13.5%に留まっています。
難聴だと感じていらっしゃる方の8人に1人しか補聴器を所有していないということです。
これは、他の先進国と比べて普及率が非常に低い状況です。
他国の補聴器の普及率を見てみますと、
米国では、約25%
ドイツでは、約34%
となっています。
日本とは違い健康保険の無い米国においても、日本より補聴器の普及率が高いことが判りました。
補聴器が普及しない理由
日本は高齢化社会を迎えています。
なぜ、補聴器が普及しないのでしょうか。
一つには、難聴は徐々に進行するため難聴に対するご本人の認識が薄いことが挙げられます。
長い年月をかけて少しずつ聞こえが悪くなるため、ご本人が耳が遠くなっていることに慣れてしまい、聞こえが悪い状況が普通となってしまうため、そもそも補聴器どころか、通院や医師への相談すらされていない方がいらっしゃいます。
もう一つは、実際に補聴器を所有するまでに様々なハードルがあるということです。
ご本人が耳の聞こえに違和感を覚え、自覚症状がある場合でも医師に相談される方は多くありません。これが第一のハードルです。第二のハードルは、経済的負担が大きいことです。現在のデジタル補聴器は、安いものでも片耳5万円程度かかります。そのため容易には購入できず、補聴器所有の妨げとなっています。
ただ、聴力の程度によっては公的助成を受けられますので、耳が聞こえづらいなと思われる方は、一度お近くの耳鼻咽喉科にてご自身の聴力がどのような状態にあるのか、検査を受けられることをお勧めします。